財務次官の寄稿文について

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家内が作成した押し花アート作品で材料の花は自宅で育てた物を使用しています。

 

財務次官が文芸春秋に投稿された寄稿文を、実際に読んでいなのですがメディアの報道を要約すると、現在でも政府は多額の債務を抱えている上に更に、衆議院選挙の選挙公約に与野党共に財政支出を増やすバラマキを掲げており、このようなことが続けばタイタニック号の海難事故に例え、日本の財政もこのまま進めば氷山に激突して沈没、財政破綻するような事が書かれているようです。確かに誰が考えたってGDPの約2.4倍1200兆円近くの債務を抱えて破綻しないのが不思議な位です。このことを家庭の家計に例えてみますと、例えば年収500万円の人が1億円のマンションを住宅ローンで購入した状態に近いです。しかしこれは現実には実現しません。なぜなら年収500万円の人の銀行の融資限度額は年収の5~6倍の2500~3000万円です。日本の国の収入(税収)は約60兆円です。債務は約1200兆円あり収入(税収)の20倍になり膨大な債務を抱えているのです。何とか財政破綻を持ちこたえているのは、日銀によるイールドカーブコントロール(長短金利操作)で短期金利をマイナス0.1長期金利を0%程度に維持していることと、国債の発行が国内で消化されている、経常収支が黒字であることなどです。それよりも何故財政支出を増やし続けても一向に経済成長につながらない事の方が問題です。1990年のバブル経済崩壊から30年間経済はほぼ停滞したままで、当然労働者の賃金も30年間上がっていません。このまま推移すれば日本の経済は更に沈み、国の債務は増えるばかりです。このようになった理由については、企業の生産性が上がらない、デジタル化の遅れ、成長産業に対する投資不足など色々言われています。日本経済が浮上出来ない根本的な理由は企業の経営上の他に、政治上の問題があるのではないかと思います。現在の日本には将来に対する不安が多くそのことが国民を萎縮させ、経済活動にも影響を与えています。65歳以上の高齢者は社会保障に対する将来不安に備えて消費支出を抑えています。日本の個人資産の総額は1800兆円以上あると言われています。その半分位は預貯金でその所有者の多くが高齢者です。そしてもう一つの問題は低所得者層の人に対する増収政策です。収入が増え生活が安定してくれば将来に対する不安が払拭され、高齢者を含めた個人消費は大きくのびGDPは政府目標の2%成長は難しくないと思います。バラマキ財政、消費税減税もする事無く、政府は国民に対して安心、安全、将来不安をなくす適切な財政政策を行なう事が肝要ではないかと思います。