喫茶店の今昔

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1月に植えましたミニばらです。

今から55年前の大学1年の夏休み、冬休み合わせて3か月間程喫茶店のスタッフとして初めてアルバイトを経験しました。55年と言うと半世紀以上も前になります。当時アルバイトをしていた喫茶店と現在の喫茶店との違いを時代背景を交えながら書いてみたいと思います。その頃の日本は高度経済成長時代の真っ只中で日本中が活気に満ちあふれていて本当にいい時代でした。それに比べて現在はバブル経済が崩壊して30年が経過していますが日本経済は一向に回復の兆しがみられません。景気の良し悪しが喫茶店の雰囲気にも表れていたようです。当時の喫茶店と言えば純喫茶が主流でメニューは、コーヒー、紅茶、ソフトドリンク、サンドイッチ、ホットケーキ、トースト等で、現在の喫茶店は飲み物の他に昼食、夕食も取れる食べ物が豊富なお店が多いようです。アルバイトをしていたお店は純喫茶で食事は出来ないので、他のお店で食事を済ませてから、食後のコーヒーを飲みに来られるお客さんも多く閉店まで忙しかった事をよく覚えています。喫茶店と言えばお店の雰囲気を良くするために店舗内にお花、観葉植物、絵画などを置いて、お客さんに安らぎを与えるような工夫をされているお店も多いようです。そしてもう一つお店のムードを変えてくれるのが音楽です。アルバイトをしていたお店には音響装置として、ステレオルーム、ジュークボックスが置いてありました。通常はステレオでLPレコードの曲を流しています。LPレコードは片面6~7曲で30分位、両面で1時間位の演奏時間です。このレコードを裏面にしたり、別のレコードに変えたりするのはスタッフの仕事です。この店はジュークボックスもありますのでお客さんがジュークボックス(好きな曲を選曲してコインを入れて聴くものです。)を利用されるとすぐにステレオは止めなければいけません。こんな光景は現在ではまずみられません。接客の他にこういった事もしなければなりませんでした。

当時と現在でもう二つ大きく変わった事があります。その当時喫茶店はコーヒーとタバコはセットのようになっており、男性客の大半がコーヒーを飲みながらタバコを吸うのが当たり前のようでした。お客さんが入店されると水、灰皿、宣伝用マッチ、タオルのおしぼりを持って注文を取りに行きます。現在では水とウエットティシュのおしぼりを持って行けば良いのです。55年前には想像も出来なかったのがデジタル機器(スマホ、パソコン)の登場で喫茶店が会社の事務所代わりに利用されている事です。喫茶店の禁煙には大賛成ですがパソコンの使用には疑問に思うことが多いです。何故なら喫と言う字は飲む、食う、と言う意味であり飲みながら、食いながらパソコンで何の仕事をされているのかと思うからです。でもこれはパソコンで仕事のできない年寄りの僻みかも知れません。

茶店には今もよく行くのですが、その理由はどおも二十歳の頃のたった3ヶ月間喫茶店のスタッフとして働いたアルバイトの体験が鮮明に記憶されているからではないかと思います。喫茶店利用の王道は美味しいコーヒー、食事をゆったりと味わいながら一人の場合は思索に耽り、複数の場合は会話を楽しみながら過ごすことだと思います。