三年目に入るロシア・ウクライナ戦争

自宅玄関前の海棠

ロシアのウクライナに対する、突然の武力侵攻が始まって今年の二月で、三年目に入りました。戦況はロシアの圧倒的な軍事力優位の前に、ウクライナは苦戦を強いられています。この二年間にロシアはウクライナに、戦争犯罪になるような違法で、非人道的攻撃を度々仕掛け、一般市民、子供に多くの犠牲者が出ました。ウクライナはロシアの攻撃により、住宅、インフラ、公共機関、兵士も失い、その経済的、人的損失はどれほどのものになっているのか、ウクライナ政府、ウクライナ国民の事を思うと胸が痛みます。今回のロシアのウクライナに対する武力侵攻は、ウクライナとロシア国境沿いにあるウクライナ領土の、ルガンスク州ドネツク州、サポリージャ州、ヘルソン州をロシア領土に一方的に併合するために仕掛けられた戦争です。ロシアは2014年にウクライナ領のクリミア半島をわずか、1週間程で大きな戦いもなく併合しました。この時の経験から今回も簡単に併合出来ると踏んでいたようです。しかし今回はクリミア半島併合の時のようにはいかず、2年以上も戦争状態が続いていますが、これはウクライナ国民の領土を守り、決してロシアの侵略を許さないという、強い意志の表れです。ウクライナが2年を超える戦いに耐えられているのは、ウクライナ軍の兵士、国民が一致団結しロシアと対決している姿勢に、米国、NATOが軍需物質、資金の支援を呼応してくれていることが、ロシアの一方的な戦いを阻止してくれている事です。ロシアのウクライナ侵攻後矢継ぎ早に、西側民主主義諸国は日本も含め、一斉にロシアに対する経済制裁を実行されましたが、経済制裁の効果はあまり出ていないようです。ロシア国民は、ロシアの現状に不満を表していない、むしろロシア大統領選挙結果が示すとうり、うかがい知ることが出来ます。プーチン政権が2年わたる戦争、日本を始めとする、西側民主主義国家の経済制裁にも、拘わらず、崩壊しないのは二つの大きな理由からです。

一つはロシアには豊富な天然資源(原油天然ガス、石炭)はGDP2位の中国、同3位のインドがロシアから安く輸入しているため、ロシアにとって西側からの輸入がゼロになってもちっとも困らないのです。そしてもう一つの大きな理由は、ロシアは国土が広くて、大きいので食料品は自給自足でき、なおかつ余剰分は輸出している状態なので、食料品についても全く困らないのです。この状態で戦争が長期化して、疲弊するのはウクライナです。西側民主主義諸国の強力な支援なしには、ウクライナの勝利はないでしょう。2年にわたる米国、をはじめとするNATO加盟国のウクライナに対する支援疲れが取りざたされており、最大の支援国の米国の大統領選挙が11月に行われますが、トランプ氏が大統領に当選すれば、アメリカのウクライナに対する政策は変わる可能性があります。トランプ氏は世界を俯瞰する政治家ではなく、ただ単なるアメリカ国民の受けを狙った、アメリカファーストの政治家であり、民主主義国家を代表する盟主には、ほど遠く、世界を呆れさせているスキャンダルまみれの人物が、11月の大統領選挙に当選しそうな、勢いで予備選挙を戦っている。大統領にトランプ氏が当選し、バイデンしが敗北した場合、世界の政治情勢が大きく変わる事が予想されます。日本もその影響を免れることは出来ないでしょう。米軍駐留経費の増額と、本土防衛力増強を要求してくることが考えられます。そして最も大きな懸念が、ウクライナに対する、軍需支援の縮小です。西側民主主義国単独支援で最大規模の米国の軍需支援が減少すれば、ウクライナにとって、ロシアとの戦いに勝利する事は、難しい局面に立たされることになります。このロシアとウクライナの戦争は西側民主主義勢力と覇権主義国の代理戦争の様相を呈しています。ウクライナが敗北するような結果になれば、ロシアの横暴を許すことになり、第二、第三のウクライナが生じる事も充分考えられます。そして日本にも、日本固有の領土である北方四島から、北海道への侵攻といった悪夢のシナリオも想定されます。こういった観点からも、西側民主主義国はアメリカを筆頭に、一致団結して覇権主義国のロシアに対峙し、今現実に行われているロシアとウクライナの戦争に、ウクライナが絶対に勝利するように導かねばなりません。ウクライナが勝利する事は、沢山の亡くなられた、兵士、民間人、子供の供養になりますが、もしウクライナが敗北するようなことになれば、亡くなれた兵士、国民の皆様は、何のため血を流されたのでしょう。ウクライナの犠牲になられた沢山の人々の為にも、ウクライナ政府、軍に最大規模の軍需支援をして、ウクライナが勝利して一刻も早く終戦することを願うばかりです。