親孝行・親不孝 ?

f:id:reiwa-kenkou:20220216202914j:plain

先月植えました色違いのひなぎく(デイジー)です。

父との思い出らしきものは、物心がついた子供の頃から、大人になるまで殆んど無く、いつも怒られていた記憶しか残っていません。父は男社会で男性優位に育てられた典型的な大正人間だったようです。家族で出かける事も殆んど無く、勿論父と二人出かけた記憶もない、子供の頃の寂しい毎日でした。ところが高校三年生の卒業を前にしての同じ頃に父と私の友人に絡む、今でも忘れられない二つの不思議な出来事に遭遇するのです。その一つが、父は当時胃の不調で大学病院に電車で通院していました。ある通院日に同じ電車の同じ車両の四人席に、偶然にも父と私のクラスメイト二人が向かい合う形で座ったようです。クラスメイト二人は前に座っている男性は私の父とは露知らず、目的の駅に着くまでの間、私に対する罵詈雑言を浴びせていたようです。この間父は何も言わず静かに二人の話を聞いていたようです。この時の電車内での出来事は病院から帰ってきた父から夕食時に聞きました。この二人は柔道部主将、相撲部主将で体力的にはとても敵わなくていじめを出来る相手ではありません。なぜあのように言われたのかいまだに理解できません。そして同じ頃にもう一つ不思議なことがありました。ある日自宅に帰ると一人の女性が私を訪ねて来てくれていて、私が不在だったため父が代わりに応対をしてくれていました。堀こたつに入って父とその女性は親し気に会話をしているようでした。これは明らかに父は怒っている様子ではなく、寧ろ嬉しそうな表情のようでした。この女性は二十歳過ぎでアメリカのレブロンと言う今でもある有名な化粧品メーカーの美容部員をされていました。まるでファションモデルのような容姿で、相当派手で物凄く目立つ女性でした。この女性と私は友達の友達と言う関係で話はしたことはあるのですが、家の住所は教えていなかったので、友達に聞いて、訪ねてきてくれたようです。彼女の自宅訪問の理由がよく分からなくて、ただただびっくりするばかりでした。女性の訪問と電車内でクラスメイト二人の会話を聞いた時の父の心境はどうだったのか今となっては聞く由もないのですが、聞けるものなら聞いてみたっかたです。これらの二つの出来事は親不孝と言える程の事でもないかも知れませんが、褒められたことでも無いと思います。普段父に友達、女性のことなど全く話などしたことがなっかたので私の意外な一面に驚いたに違いないと思います。父と私の親子関係は複雑で一口に言えませんが、お互いに我が強く高校卒業後、家を離れ大学生、社会人になってもよく衝突してましたが、孫が出来た晩年の十年位はいい親子関係になり、私も親の有難さが分かり、父は孫二人の名付け親になってくれて、ほんの少しですが親孝行が出来たのかなと内心思うようになりました。そして父との間にあった数々の確執も今となっては、懐かしい思い出に変わったようです。