103万円の壁

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家内が趣味で描いたパステル画です。

103万円の壁について考えてみたいと思います。この103万円は非正規雇用者の

パート、アルバイトの方が年間所得を103万円以内に抑えた働き方をする事です。

それでは何故このような働き方を選択される雇用者が多いのかということです。それは

次のような理由からではないかと推測されます。162.5万円以下の給与所得者は誰に

でも給与所得控除55万円があり、基礎控除の48万円を合わせると103万円になり

給与所得が103万円の場合ですと給与所得から控除額を差し引きすると所得はゼロに

なり所得税は発生しません。扶養者(夫)は妻の配偶者控除も受けられ、扶養者(夫)

は勤務先の会社から家族手当(配偶者手当)の支給がある場合、妻の所得が103万円

を超えると支給停止になる会社が多いようです。扶養者(夫)の扶養に入ると妻は

基礎年金に加入するする事になり国民年金に加入する必要がなくなります。妻の

年間所得を103万円以内に抑えた働き方には数々のメリットがあるのでパート、

アルバイト雇用者の多くの人が選択されているのではないかと思います。

それでは次に社会保険に加入する義務生じる年間所得130万円以上の場合の手取額は

いくらになるかを大雑把ですが計算してみます。まず所得税ですが給与所得控除

55万円、基礎控除48万円を合わせた103万円を給与所得130万円から差し引き

しますと27万円になります。これが課税前の所得でこれに税率の5%を掛けますと

13,500円になりこれが所得税になります。次に社会保険の保険料厚生年金は

給与所得の約18%、健康保険は約10%ですのでそれぞれを給与所得130万に掛け

ますと厚生年金は234,000円、健康保険は130,000円になり厚生年金と

健康保険は会社と雇用者の折半になり、雇用者の負担分はそれぞれ117,000円、

65,000円です。社会保険料182,000円に先に計算した所得税13,500円を加えた195,500円を給与所得から差し引いた1,104,500円が手取額

です。尚正確には住民税、雇用保険料も発生しますが金額が少ないので計算入れていま

せん。年間所得103万円と比べますと74,500円の増収ですが扶養者(夫)の

会社からの家族手当(配偶者手当)の支給が停止になりますのと、配偶者控除を受けられないのでトータルでみますと、数万円の減収になるようです。今を楽するか、年金

支給時を楽するのかの問題ではないでしょうか。基礎年金(国民年金)だけでは満額

の40年掛けても月額支給額は65,000円です。厚生年金に加入していれば

支払った保険料、掛けた月数にもよりますが何割かの増額になるのは間違いないでしょう。